日本MRSニュース Vol.12 No.3  July 2000

やあこんにちは

超伝導材料と超伝導物質

通商産業省工業技術院 院長   
梶村 皓二 
 

 衛星通信が始まり、トランジスタが品質を確立していた1963年の春、電気学科の4年になった。半導体格子欠陥の博士論文を完成させようとしていた物理教室の先輩に自分の進路についてアドバイスをもらいに行った。春休み、会社の実習で垣間みた衛星通信が面白かったこと、その会社に勧誘されたことを話した。すると氏は、これからは固体物理の時代だ、材料科学を修得せよときっぱり言った。氏の紹介もあって、超伝導物性の研究室で大学院を過ごすことになった。当時の学会では、ジョセフソン効果の予言など超伝導の特異な物性研究が華やかだった。私に与えられた課題は、磁場中で超伝導ギャップが空間的に変化する第2種超伝導の基本現象を、マイクロ波超音波吸収で計測することだった。超伝導体としては、シリコンなみに精製した高純度ニオブを使った。修士課程を終えるとすぐ、先生が米国の大学へ転出されることになった。先生に、電総研物理部の研究者2人で超音波物性のグループを立ちあげるという話をみつけてもらい、推薦をもらった。
1968年に所属した電総研の超音波物性グループは、リーダーもメンバーも非常に優秀、活発で、所外や他部の研究者がひっきりなしに共同研究に出入りした。数年してリーダーが研究室長に就任するやその活性度はグループ発足時の数倍になった。加えて、今後の材料科学の進むべき方向など、米国から入る情報をもとに研究所内外の人たちと結んで、40才前後の研究室長が戦略を練っている姿をよく見かけた。その内容もよく聞かされはしたが、超伝導、超音波に固執して10年以上の歳月が流れるまで、科学技術の流れをあまり気にかけることなく暮せる環境においてもらった。
その後、IBMのワトソン研究所に客員として滞在した。筆者は物理科学部で超音波現象であるフォノン・エコーの研究をしていたが、応用研究部では鉛をベースとする超伝導接合素子を使ったジョセフソン・コンピュータの研究開発が活発に進められていた。蒸着した鉛の粒界間にある欠陥が作るヒルロックが数nm程度の絶縁酸化膜を貫いて、接合をショートさせる現象に悩まされたこのチームは、膜の背骨に金の薄い層を入れ、鉛には安定を確保するインジウムを合金として入れることで解決した。しかし、接合をショートさせる確率が限界点より下がらないことがわかり、このプロジェクトを中止した。
筆者の属していた研究室から独立した電総研のジョセフソン・グループは、研究開発の巨人が見切りをつけた後も確信をもって続けた。硬いニオブをベースにした接合技術を完成させたからである。上記グループはニオブ接合をさらに安定に動作させるため、より臨界温度の高い窒素や炭素との金属間化合物を素子作成技術に導入し、信頼性、再現性を確立した。コンピュータのプロトタイプを作り、このプロジェクトは成功裏に終了した。ますます高速、大容量になる情報通信技術にこのディジタル超伝導接合集積回路技術の出番が来ることを願っている。
信頼して使えるものにするのが「材料」であって、超伝導現象を起す「物質」との間に大きな違いがあることに、このグループの間近にいて、強い印象を受けた。その後、有機合成の研究者を交えて、有機超伝導体の物質開発と物性研究のグループを形成したが、超伝導「材料」という観点には目をつぶって走査型トンネル顕微鏡などを開発しながら物性研究を続けた。
物質と材料の違いが、1988年自らも関与することになった銅酸化物高温超伝導の通産省プロジェクトにおいて、現実のこととして振りかかってきた。次々に新しい高温超伝導体が発見され薄膜もできるのだが、ジョセフソン素子にするプロセスで超伝導性が劣化したり、素子機能がなくなったりした。その後10年以上を経て素子化「材料」技術は着々と進歩している。事実、中央部を「絶縁性」ではなく「常伝導性」にした接合で、臨界電流値のばらつきが、初期には100接合で数桁に及んでいたものが、今では10%以下にまで改善された。しかし低温超伝導接合で重要な要素技術となった再現性と信頼性の高い「絶縁」極薄膜を、2つの酸化物超伝導体の間に作るのはまだ非常に難しいようだ。
超伝導材料のさらなる研究により、シリコン・ベースのエレクトロニクスや銅ベースの電力技術では決してできない、大容量・高速・超低消費電力の技術が産業になる日を夢見ている。
今日、研究開発に選択と集中が要請されている。材料研究にあたって、他の多くの要素技術、プロセス技術、回路技術やシステム化技術と連携、整合をとり、実証を経た上、時代の最も要請するタイミングでその技術を世に問わなければならない。これが材料の研究開発に与えられた、困難だがプロダクト・イノベーションの原点になる、挑戦しがいのある課題である。


■トピックス

光励起による原子再配列:ポンプ・プローブX線分光

電子技術総合研究所 電子基礎部 統括主任研究官 大柳宏之


1. 光融解って何?

 最近、ある種の物質では特定の波長の光照射により出発点である基底状態とは異なる状態(準安定相)や全く新しい秩序相が形成されることがわかってきました(図1)。
これらの光誘起構造相転移現象では、ポンプ光(レーザー)を照射しながら放射光をプローブ光源とし、これらを同期あるいは遅延させて、光照射中の構造変化を精密に測定することにより、励起に伴う原子再配列を調べることができます。光照射「その場」実験によって励起中あるいは励起後、緩和を経て様々な原子再配列を伴う準励起状態がみつかっています。ここでは光誘起構造相転移現象の直接的な観察法によりもたらされる光励起による構造相転移・原子再配列現象の知見を紹介します。X線吸収分光は特定原子種の局所構造を10-15 secの時間スケールで調べることができます(図2)が、強力な放射光をプローブ光源として、(1) 蛍光検出法を用い光励起と同程度の領域を、(2) 光照射中の構造変化を精密に測定することにより、通常の熱的相転移と異なる(Non-thermal)光照射による局所構造変化の詳細が明らかにされつつあります。重要な点は低温下の光照射その場実験によって従来の光励起後の測定ではみえなかった励起中あるいは励起後、緩和を経て様々な原子再配列を伴う準励起状態がみつかっていることですが、低温における融解現象という一見、奇妙な物理現象も準安定相として新しい物質の創製につながる可能性もあります。また成長中に光励起することで欠陥を減少させより低温で成長させる技術も期待できるでしょう。従来から「光黒化現象」で知られるカルコゲンガラスを例に、光励起による局所融解現象「光誘起融解」をとりあげ、放射光とレーザーの組み合わせにより得られた最新の知見を紹介します[1]。


2. カルコゲンガラスにおける光構造変化

 カルコゲンガラスの「スピンをもたない欠陥の謎」を説明するため、様々な欠陥モデルが提案されてきましたが、いずれも推測の域をでませんでした。光照射中のX線吸収分光により局所的に高配位結合の欠陥が生じること、短距離の原子間ゆらぎが光照射後も凍結されることが光黒化現象の起源であることが示されました。このことは光照射によって、局所的に配位数の高い欠陥構造が生成され最近接原子間の相対変位が増大すること、増加した相対変位は低温では一部が凍結され熱処理によって最初の状態に戻ることを示しています。すなわちカルコゲンガラスの巨視的な光照射効果は3配位欠陥を準安定相とする光誘起構造相転移と考えることができます。この欠陥は光励起中に局所的に生じるため時間的、空間的な平均構造ではみることができません。そこで励起状態の局所構造を調べるポンプ・プローブX線吸収分光(図2)の力を借りることにしました[2]。


3. 光融解 (Photo-induced melting)と欠陥生成

 アモルファスセレンではローンぺア電子が価電子帯の頂上を占めており疑一次元鎖をつくりますがローンぺア電子間にはクーロン相互作用が働いて分子鎖間の均衡を保っています。図3aにX線吸収分光の結果から予想される光励起による欠陥ペア生成モデルを模式的に示します。ローンペア電子が励起されダングリングボンドが適当な距離(〜0.3nm)で生成されると、隣り合った分子鎖間のローンペア原子が励起状態にある間は、ダングリングボンド同士が共有結合により3配位欠陥ペアをつくることによってクーロン反撥を回避し安定化されると考えられます。このとき生じる歪みエネルギーの増大は非結合電子が結合軌道にはいるため補われます。3配位欠陥の局在電子は隣り合う原子間をホッピングにより移動できるため、3つの結合は励起されている時間内で等価となります。最近の分子動力学計算によると液体状態や室温に凍結したガラス状態では、3配位欠陥ペアが欠陥の大部分であることも確かめられています。実際、図3aに示した低温での光励起時の配位構造の変化は局所的な「光融解」現象と考えることができます。分子鎖間の結合生成と消滅が繰り返されるため、巨視的な立場では分子鎖間のゆらぎが増大することになります。これにより最近カルコゲンガラスで報告されている光励起により流動性が増大する性質(光流動)が理解されます。また光融解時に生じた原子間距離の相対的なゆらぎは低温で凍結され、欠陥が消えたあと増大したローンペア電子間のクーロン反撥により光黒化現象として広く知られている光吸収端の長波長側へのシフトを引き起こすと考えられます(図3b)。このとき同時に観測される吸収端のスロープ変化は凍結された構造ゆらぎによるUrbach Tailと考えられます。

4. 今後の展望

 格子振動や原子の緩和の時間スケールは数桁おそい領域にあるのでポンプ光とプローブ光のタイミングを可変とした時間分解スペクトルにより電子励起によるプロセスと緩和過程を分離して調べることが可能となります。将来はアンジュレーター光源から得られる高輝度X線ビームをプローブ光として、パルス励起光源を用いることにより、励起状態と緩和過程を分離してダイナミクスに迫ることもできるでしょう。ポンプ・プローブX線分光は励起による格子歪みや緩和の機構解明にも役立つものと期待されています。また光誘起磁気相転移物質プルシアニンブルー錯体のスピン状態変化、巨大磁気抵抗物質における光誘起スピン制御、高温超伝導酸化物における疑ギャップ制御における局所格子歪みの研究など将来の応用範囲は多岐に渡っています。光励起に伴う原子再配列の直接観測は、新しい秩序相は新物質創製の可能性も秘めています。新しいフィールドを築く意欲的な研究を心がけたいと考えています。


参考文献
[1] "Structural Study of Amorphous Selenium by In-Situ EXAFS: Observation of Photoinduced Bond Alternation", A. Kolobov, H. Oyanagi, K. Tanaka and Ke. Tanaka, Phys. Rev. B55 (1996) 726-734.
[2] "Pump & probe X-ray absorption fine structure using high brilliance photon sources", H. Oyanagi, A. Kolobov and K. Tanaka, J. Syncrotron Rad. 5 (1998) 1001.


編集後記
今回、岸本委員長の畳み掛けるようなパワーに翻弄されることとなり、3号を担当致しました。物質探索、材料研究、材料の機能デバイスへの応用、そのデバイスを活用した物質探索とこのように回るサイクルも存在するのではないでしょうか。日本MRSはこのサイクルの中心に位置し、飛び出す技術革新が多くなるように、大いに回転数を上げて頂きたいと思います(大久保雅隆)。 


■研究所紹介


SIIにおける超伝導エレクトロニクス応用技術開発について

セイコーインスツルメン(株) 超伝導エレクトロニクス応用プロジェクト 師岡利光、茅根一夫


 セイコーインスツルメンツ株式会社は、高感度センシング技術開発の一環として、1989年から超伝導エレクトロニクス応用プロジェクトを開始した。
 当初、電子技術総合研究所において、超伝導エレクトロニクスの技術指導を受け、その後社内において、高感度磁気センサである超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device)、および、同システムを開発、実用化してきた。
 SQUIDは、従来検知できなかった極微弱な磁気信号の検出が可能である、直流から高周波までの広帯域でフラットな検出感度を持つ、非破壊・非接触計測が可能であるという特徴を持つ。そのため、材料開発、プロセス開発においてますます高度化が進み、さらに、安全、環境問題が重要視される産業界において、SQUIDは検査・分析装置の高感度センサとして期待されている。しかし、産業用検査・分析装置には、微小な信号の大きさと位置情報を取得できる高い磁場感度と高い空間分解能が要求される。
 そこで、本プロジェクトでは、SQUIDの実用化に必要な要素技術の開発を行ってきた。本稿では、その要素技術を用いて作製した SQUIDデバイス、および、その応用例について紹介する。

1. SQUID開発における要素技術
(1-1)Nb系超伝導薄膜プロセス
 キーデバイスであるSQUIDデバイスの安定供給と高性能化のためには、量産性の高い、微細加工技術が必要であった。
 そこで、当社が保有してきた半導体プロセス技術を応用し、4インチSiウエハーを用いて、信頼性、再現性、均一性の良好な Nb超伝導薄膜プロセス技術を構築した[1]。SQUIDは、Nb/AlOx/Nbトンネル接合、 AlまたはAu抵抗、SiO2層間絶縁層で構成される。

(1-2) 高感度・高分解能SQUID設計技術
 より高度なSQUIDシステムを構築するためには、応用対象に適したSQUID設計が必要となる。たとえば、磁場感度と空間分解能の関係は、検出コイルを大きくすることにより、前者は向上し、後者は劣化する。我々はSQUIDが検出する磁場感度や空間分解能のシミュレーションを行い、素子パラメータの最適化を行っている。特に、産業応用では、空間分解能や環境ノイズの除去が重要であり、微分型構造やマルチループ構造の検出コイルを採用している[2]。

2. 産業用SQUIDデバイス
 産業応用を目的としたSQUIDデバイスを紹介する。

(2-1)非破壊検査用同心円DC-SQUIDグラジオメータ
建物の中のガス管、水道管、鉄筋に亀裂や欠陥が発生する前に、早期にその腐食・劣化状態を検出できることが強く望まれている。 
 我々は検出コイルに直径1.6 mmの同心円2次微分型検出コイルをもつ非破壊計測用同心円DC-SQUIDグラジオメータ(図1) を開発した[3]。同心円型微分コイルを検出コイルに採用し、その検出コイルを直接SQUIDループとした並列マルチループ構造を持つ。このグラジオメータは、磁場分解能80 fT以下、空間分解能1 mm以下の性能を持ち、環境ノイズを効果的に除去できる特徴を有する。

(2-2 )SQUID顕微鏡用マイクロDC-SQUID
 直径10 μmの微細な検出コイルを有するマイクロDC-SQUIDを開発した(図2a)[4]。検出コイル(図2b)はSiチップのエッジに、また、ジョセフソン接合、および、ワッシャーコイルはチップの中央部に配置されている。検出コイル部以外での磁気結合を極力減らすよう設計されている。このマイクロDC-SQUIDは、磁場分解能150 nT以下、空間分解能5 μm以下の性能を持つ。マイクロDC-SQUIDを用いたSQUID顕微鏡は、磁性薄膜や超伝導薄膜の磁気特性評価やICチップの不良解析のため計測ツールへの応用が可能である。

3. 応用例(走査型SQUID顕微鏡システム)
実用化の例として、マイクロDC-SQUIDを搭載した走査型SQUIDシステムとその測定結果について紹介する。
 走査型SQUID顕微鏡システムを図3に示す[4]。システム構成はマイクロDC-SQUID、ステンレス製真空チャンバー、走査ステージ、そして、コントロールユニットからなる。マイクロDC-SQUIDとサンプルは真空チャンバー内に納められ、液体ヘリウムにより冷却される。供給されるヘリウムの温度と流量を変化させることにより、3 Kから100 Kの温度制御が可能である。
 図4は、走査型SQUIDシステムを用い観察されたNb超伝導薄膜の磁気イメージを示す。磁束の総和は1Φ0に対応しており、Nb薄膜中に単一磁束量子がトラップされていることが確認することができた。
また、図5に、地磁気の約10 %の磁場が印加された状態で冷却されたSQUIDアレイの磁気イメージを示す。図5には、薄膜中にトラップされた多数の 磁束量子が確認できる。磁束量子は超伝導デバイスの特性を劣化させる原因となる。
走査型SQUID顕微鏡による磁気イメージは、トラップされた磁束量子の位置や数の特定を可能にする。このように、走査型SQUID顕微鏡はデバイスや薄膜の評価のみならず、デバイス設計用ツールとしての可能性をもつ。

4. おわりに
Nb系SQUIDは、実用化に必要な要素技術もほぼ確立され、普及段階になったといえる。近年、高温超伝導デバイスの研究も、世界中で盛んに行われている。しかし、本稿で紹介したような高空間分解能計測、さらに、SQUIDアンプのような低雑音・広帯域計測を必要とする応用に対し、Nb系SQUIDは依然として大きな役割を担っている。
SQUIDをはじめとする超伝導エレクトロニクスの普及には、ユーザーに超伝導を扱っているという意識を持たせないことが必要である。そのための課題として、やはり、高温超伝導SQUIDと冷却技術が挙げられる。実用化に耐えうる高温超伝導プロセス技術と寒剤を必要としない冷凍機の普及が待たれる。
本プロジェクトでは、今後、磁気計測装置から観察装置へ、さらに、分析装置への展開をはかり、産業計測分野への応用を目指している。

参考文献
[1] K. Chinone, T. Ataka and N. Shimizu: "Easy process for fabrication of high-reliability DC-SQUIDs", IEEE Trans. Mang., Vol. 29, 3562 (1993).
[2] T. Morooka, S. Nakayama, A. Odawara, N. Shimizu, K. Chinone, T. Ataka and N. Kasai: "Integrated Direct Current Superconducting Quantum Interference Device Gradiometer for Nondestructive Evaluation", Jpn. J. Appl. Phys. Vol.35, L486 (1996).
[3] K. Chinone, S. Nakayama, T. Morooka, A. Odawara, and M. Ikeda, "Scanning DC-SQUID System with High Spatial Resolution for NDE", IEEE Trans. Appl. Supercond, Vol. 7, 3271 (1997).
[4] T. Morooka, S. Nakayama, A. Odawara, M. Ikeda, S. Tanaka and K. Chinone, "Micro-imaging System using Scanning DC-SQUID Microscope", IEEE Trans. Appl. Supercond. Vol. 9 , 3491 (1999).


編集後記

 今回、岸本委員長の畳み掛けるようなパワーに翻弄されることとなり、3号を担当致しました。物質探索、材料研究、材料の機能デバイスへの応用、そのデバイスを活用した物質探索とこのように回るサイクルも存在するのではないでしょうか。日本MRSはこのサイクルの中心に位置し、飛び出す技術革新が多くなるように、大いに回転数を上げて頂きたいと思います(大久保雅隆)。


To the Overseas Members of MRS-J

Superconducting Matter versus Material 
Dr. Koji Kajimura, Secretary, Agency of Industrial Science and Technology, Ministry of International Trade and Industry 

 In his research career, the author devoted himself to investigate mostly superconducting phenomena in metallic, organic, and oxide superconductors. But during his management career, he became aware of the big difference between superconducting matter and material. Application of those phenomena to practical use requires wide spectra of physical properties in the material. 

 In these days, priority and proper choice in R&D are widely argued. Only those sophisticated materials which are suitable for combination with various key process technologies to produce useful systems will be adopted for future product innovation.


Photo-induced Nonthermal Melting Observed by Pump & Probe XAS (X-ray Absorption Spectroscopy) 
Dr. Hiroyuki Oyanagi, Assistant Director, Physical Science Division, Electrotechnical Laboratory 


 The mechanism of photo-induced melting (PNM) in chalcogenide glasses is interpreted as the time- and spatial average of accumulated metastable state with three-fold defect pairs as a result of the excitation of lone pair electrons. In this case, the excitation energy is taken to be larger than the band gap (Eg<hw). The optical excitation (hw<kTg) can accumulate metastable configurations, in which three-fold defect pairs link selenium chains (C03 ? C03), since the initial glassy state is much higher in energy than the ground state of crystalline phase. Macroscopic photo-induced phenomena in chalcogenide glasses such as photo-fluidity or photo-darkening are now understood based on PNM; former is interpreted as a result of bond alternation, i.e., formation and breaking of interchain bonds, which would reduce the rigidity like a liquid-state. PNM also introduces short-range disorder which is partly frozen after the switching off the light. The result is an enhanced Urbach tail and red shift of optical absorption due to lowering of conduction bands as a result of Coulomb repulsion.


Seiko Instruments Inc. 

Supercondcuting Electronics Application Project 
Toshimitsu Morooka and Kazuo Chinone 

 Seiko Instruments started Superconducting Electronics Application Project as a part of the development of high-sensitive sensing technology in 1989. Superconducting quantum interference devices (SQUIDs) and measurement systems using the SQUIDs have been developed and put to practical use. The SQUIDs are expected as a high sensitive sensor for the inspections and analyses in industry. The SQUID measurement systems improve material development and fabrication processes, and furthermore may play an important role in safety and environmental problems. 

In this project, we have been established the Nb thin film fabrication technology for the high-reliable SQUID mass-production and the application-oriented SQUID design technology. The SQUIDs are applied to nondestructive testing and scanning SQUID microscope.