Scope:
金属やセラミックスなどに対して、高分子、生体分子、コロイド、液晶などの柔らかい物質が形成するソフトマターによる界面は、外部環境の変化により構造や性質が大きく変化する特性を示します。このような動的界面をde Gennesは20年ほど前にソフトインターフェースと名付けました。この動的な変化と、生体が築くソフトインターフェースのような複雑さのためソフトインターフェースは、定量的解析が難しく、まだ多くの課題が残されたフロンティア的学問領域です。しかし近年、材料の合成方法や解析方法の進歩は目をみはるものがあり、さまざまなアプローチでソフトインターフェースの解明に取り組む研究者が増えてきています。例えばマクロでのデバイス等の機械的物性に、ナノメートルスケールでの界面構造が重要な影響をおよぼすことが認識されつつあります。このような背景から、精密分子設計、分子認識、新規計測法、シミュレーションなどさまざまな方面からのソフトインターフェースに対する考え方を統合することで、新しい視点が生まれると期待されます。
本シンポジウムでは、ソフトインターフェースの研究に関わる若手研究者の招待講演を多く行うことで、研究を奨励すると共に研究者間のネットワークを広げることも目的としています。